今回、TRANSHIPの近藤照之氏とPIANTA×STANZAの大山雄也がコラボし、
東京都のとある屋上に誕生したスタジオ「天空の森」。
入り口の扉を開けると、そこは現実を忘れてしまうような空間が広がっている。
古材で建てられたアトリエを沿うように奥へとのびた石畳。
アトリエの壁にはフジがからみ、石畳は実際にヨーロッパから輸入したもので、目地を敢えて深くして、植物たちが自然に近いかたちで繁茂している。
各所に使われているアンティーク処理を施したアイアンのモニュメントも本物感をグッと引き上げ、
細部に至るまで拘り倒しているのが良くわかる。
暖かみのある木材に囲まれたアトリエから望むガーデンは、昼はコーヒーを飲みながら時間を忘れ、
夜はライトアップされたガーデンを眺めながら一杯やりたくなってしまう。
アトリエを出ですぐのところは軒がありしっとりとしている。
庭のアウトラインは三重県の英虞湾で採れる石を遺跡のようなものをイメージしながら、
柔らかい曲線を描きランダムに積んで表現。
向かって右手前には湧き水を再現し、水の滴る音を楽しめる。
軒下から出て石畳を奥へと進む途中には、
ルピナスの花がさり気なく彩を与えてくれ、
そこを抜けた奥には石積みと木々に囲まれた溜まりが。
少し長めに保たれた芝が乱形状に敷かれた石たちの間に生い茂り、ナチュラルで美しい目地をつくりだしている。
ここに来るとついつい寝転がりたくなってしまう。
100㎡のコンクリート一面だった屋上が、
自然豊かな森へと変貌を遂げた。
TRANSHIP
http://www.tranship.jp/